yuhaku
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2016.12.23

長く使っていただくための正しいメンテナンス
vol.02: 引っ掻き傷編

 

毎日使っていると避けられないのが爪や金具などによる引っ掻き傷。コーティングを施していない「yuhaku」の革なら、これぐらいの傷はすぐに修復可能だ。「yuhaku」が質感を生かした革を利用する理由のひとつが、ここにある。写真で白く見える傷の部分は、革が剥がれてしまっているわけではなく、表面が荒れてギザギザになっている状態。これを平らに戻し、クリームで油分を補っていくことで傷が消えてしまうというわけだ。

 

 

まず始めにクリームを着けずに乾いた柔らかい布(着古したTシャツなどでOK)で傷の部分を磨き、ある程度傷をフラットに戻しておく。この工程を経ずにクリームを使うと、傷の部分にだけクリームが入ってしまい、かえって傷を目立たせてしまうことになる。

 

 

 

傷を消す時のコツは爪を上手に使って、革の表面を平らにしてあげること。写真のようにウエスの中で人差し指を鍵状に曲げ、爪の表側をつかって磨くようにすると上手に力を入れることができる。この時、人差し指に親指を押し当てるのがポイントだ。より力を加えて磨くことができる。数回磨くごとに革の状態をチェックしながら時間をかけて行うと失敗が少ない。

 

 

クリームを塗る時のポイントは量を少なめにすること。一度にたくさん着けすぎるとシミになってしまったり、染料が落ちてしまう原因になる。「yuhaku」が推奨しているコロンブスのブリオを使う場合でも、指先に少し乗る程度が適量と言えるだろう。ちょうど米粒大が目安だ。ウエスに取って、薄く、広く伸ばしていく感覚で行ってもらいたい。

 

 

適量のクリームをウエスに取り、傷の部分をゆっくりと磨いていく。ある程度の力をかける必要があるが、水ジミ同様、強く磨き過ぎると染料が落ちてしまうことがあるので、力加減には注意が必要だ。最初は優しく、次第に力をかけながら調整していくようにしたい。適度な力で磨いていくと次第に傷は消えていく。

 

 

先程の傷が嘘のように無くなったのがお分かりいただけるだろう。この状態になるまでわずか5分程。少し手をかけるだけで、見違えるように綺麗になるのが革製品の面白いところだ。大切な人に会うその時にメンテナンスをするだけで、飛躍的に製品の寿命を延ばすことができる。

 

 

右:コロンブス ブリオ
革のメンテナンス初心者でも失敗が少ないオススメのクリームがこちら。革への浸透力はそれほど強くないが、保革成分のホホバオイルと天然ワックスのビーズワックスがしっかり含まれているため光沢が出やすく、扱いやすい。

 

左:レザーマスター レザープロテクションクリーム
イタリアから上陸したクリームで、浸透力が強く4日間ほどかけて革の内部まで浸透。革に栄養分を与え、耐水性、耐油性も高め内側から革を守ってくれる。浸透力が高い反面、使い方を誤ると染料を浮き立たせてしまうため、色落ちが起きる危険性もある。そのため、初心者の方はコロンブス ブリオでメンテナンスに慣れ、次のレベルでレザープロテクションクリームを使うのがオススメだ。

 

各商品ごとのお薦めケア用品はこちらをご覧ください。 >

 

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