yuhaku
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2016.12.09

他ブランドに「作りたくない」と
思わせるほど設計に心を砕いた渾身の作

 

「yuhaku」×レーデル オガワのコードヴァンを贅沢に使用

 

「これまでに培ってきたノウハウを注ぎ込んだ最高傑作です」。デザイナー 仲垣友博がそう言って憚らないのがデュ モンド シリーズだ。コードヴァンに手染めで芸術的なグラデーションを描いた、モノとしての存在感はラインナップの中でも際立っている。今回はこのシリーズの細部にまで貫かれたこだわりを紹介していこうと思う。

 

 

 

 

デュモンドシリーズに使われるのは「yuhaku」がレーデル オガワと共同開発したアニリン染めのコードヴァン。世界でも比肩する存在がいないとされるレーデルオガワ独自の染色技術と「yuhaku」の染色技法が融合したこのコードヴァンは、間違いなく今考え得る最高品質の革素材だろう。そこに「yuhaku」ならではの手染めが芸術的なグラデーションを持たせ、このシリーズの深い表情を作り上げている。アニリン染めと「yuhaku」の手染めによって生まれる独特な経年変化は、使い込むほどに透明感を増していくような、奇跡の風合いを見せる。

 

 

内装に使われたのはすべて牛革。見えないポケットの裏側までリアルレザーを使うため、通常の財布の2.5倍もの革を使用。当然ここにも「yuhaku」の手染めが生かされている。使用していても見えないカードケースや冊入れの内側まで革を使うこだわりの深さは、「yuhaku」のモノづくりに対する姿勢が映し出されている。「糸とコバ以外は全て革です」と言う仲垣氏の言葉に一切嘘は無い。

 

 

もうひとつ、この財布を作るにあたり仲垣氏が何よりも心を砕いたことがある。それが“設計”だ。特にカードスリットに関しては、その深さや形状も、吟味してデザインされている。得てして多種多様なデザインのカードをスリットに収納すると、必要以上に生活感が出てしまう。それを避けるためにカードが見えにくい深めのスリット採用。取り出しやすさにも配慮し、独特な形状のカッティングを施している。「yuhaku」らしく、実際にカードを収納して、財布を開いた時の美しさをとことん追求したというわけだ。また各パーツ類が重なる部分に関してはコンマ数ミリ単位で革を漉き、菱針で縫製。最大で7~8枚重なるカードスリットの縫い合わせ部分でも驚くほどスッキリとした仕上がりになっている。「yuhaku」のモノづくりを知っている方にとっては、別段驚くポイントでもないかもしれないが、カットした場所すべてがコバ処理されているのも特筆すべきポイントだろう。この財布に関して仲垣氏は「他の業者やメーカーが“作りたくない”と思うほど手の込んだものを目指した」とのこと。実際に手にしてみると、その言葉がある種の迫力を持って迫ってくる。

 

 

カラーに関しては全部で4種類。このカラーバリエーションもベースとなるコードバンから「yuhaku」が監修して作り上げたものだ。特にワインに関してはレーデル オガワと試行錯誤を重ねて完成した特別なカラーといえる。「yuhaku」のモノづくりの粋を集めた傑作をぜひ手にとってお楽しみいただきたい。

 

長財布以外のバリエーションはこちら 〉

 

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