yuhaku
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2017.05.12

芸術性を突き詰めたコードヴァン製品の手染め

 

研ぎ澄まされた職人の感覚が「yuhaku」のグラデーションを創りだす。

 

基本的にヌメ革から手染めで色を入れていくのが「yuhaku」の流儀。だがコードヴァンを使ったシリーズだけは既に製品になったものに手染めでグラデーションを加えている。これはコードヴァンの染色方法が普通の革とは異なるため。「yuhaku」では世界的なコードヴァン専門の皮革工房であるレーデルオガワと協力し染め色にこだわった独自の皮革を使用している。製品染めの場合、手染めとバフ掛けがほぼ最後の工程になるため、この段階でのミスは許されない。それだけに職人たちは独特の緊張感の中でグラデーションを描いていくことになる。

 

 

 

 

これが染めを施す前の名刺ケース。自然な艶があるレーデルオガワの水染めコードヴァンを使っているため、この段階でも既にモノとして魅力的だ。手染めの染料は、明度の異なる4種類のグレーが用意される。天然故にベースの革の発色が一つ一つ異なるため、この4種類の中から使うものを見きわめて手染めしていく。

 

 

 

染料を手染め用の布に少量とりフリーハンドでグラデーションを描いていく。まずは薄グレーを使ってぼやけている境界線部分から染め始め、外側の濃いグレーの部分へと染めを進めていく。綺麗なグラデーションになるか否かはまさに職人の感覚によるところ。また、少しでも強く圧を掛けて染めてしまうと色が入らないところができてしまうため、力加減にも細心の注意が払われる。

 

 

 

 

内側までコードヴァンを使った贅沢な仕上げなので、当然内側にも手染めでグラデーションを描いていく。外側と内側のグラデーションのポジションやぼかし具合が揃うように、調整を行いながら進めていく。コードヴァン以外の内装パーツを汚さないように気をつけなくてはいけないのも製品染めの難しさのひとつ。柔らかな白い布を敷いているのは表面に傷がつくのを防ぐための配慮だ。

 

 

ステッチの外側の細かな凹凸のある部分は綿棒を使って染めていく。通常の生地で染めていくだけではこの部分だけ染まらずにベースの色が残ってしまう。こうした細部にまで気を配っていくことが「yuhaku」ならではの完成度の高さにつながっている。

 

 

バフを掛けて磨き上げていく商品化直前の工程。少量のワックスをつけて磨くことでコードヴァンならではの光沢感を出しつつ、この素材の弱点である耐水性も高めることができる。艶が出ることで「yuhaku」の最大の特徴である手染めのグラデーションがより一層際立って見えてくる。最高峰のコードヴァンと芸術性の高い手染めが完璧に融合した瞬間だ。

 

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