yuhaku
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2017.10.06

スポットライトがつくる陰影を手染めで具現化

 

靴のデザインはあのステファノ ブランキーニ

 

小物やバッグと並びyuhakuの代表的な作品のひとつとなっているのが革靴だ。ご自身も革靴をこよなく愛する仲垣氏がつくり上げるyuhakuの革靴は手染めだけでなく製法や履き心地にも心を砕いたもの。当然ながら靴自体のフォルムにも強いこだわりをもっている。ルチェ エ オンブラ シリーズの革靴のデザインを手掛けたのは世界的なシューズデザイナー、ステファノ ブランキーニ。いわずもがな華やかなイタリアンデザインのドレスシューズで一世を風靡した人物だ。yuhakuの手染めを高く評価したこの巨匠から直接許諾を得ることで、ルチェ エ オンブラの革靴が誕生することとなった。「革靴に関しては、暗いところで靴に上からスポットライトが当たった感じをイメージしました。履き口からソール、つま先方向に向かって色が暗く落ちていくグラデーションを施しています」。一般的な靴のグラデーションとは一味違う、yuhakuらしい遊び心を楽しんでもらいたい一足だ。

 

 

実際に靴自体をつぶさに見ていくと、かなり凝ったデザインであることがわかる。有機的にカットしたパーツをいくつも使い表面にステッチが出ないように縫製するため、工程的にもかなり複雑で手がかかる仕様になっている。ここにyuhakuの手染めが加わり、よりパーツの切り換え部分の陰影が鮮明になる。ベースの靴の良さを手染めでより一層引き出した、コラボレートの成功例と言えるだろう。

 

 

シューレースの無いスリップオンタイプとしているため気軽に履けるのも嬉しいポイント。ドレッシーなスタイリングはもちろん、カジュアルスタイルに合わせても、着こなし全体を格上げしてくれるはずだ。タンを太めのゴムバンドで固定することで適度なホールド感を確保しているためフィット感もじつに心地よい。もうひとつ特徴的なのがインソールとアウトソールの間に髙反発素材を入れていること。革靴でありながら長時間歩いても疲れにくく作られているのだ。余談だが、yuhakuのオンラインショップで靴を購入する場合、フィッティングのために3サイズ(片足)まで送ってもらうことができる。通信販売であっても自分にフィットするサイズを選べるというわけだ。

 

 

 

ベルトはさりげない自己主張に欠かせないアイテムのひとつ。バッグや革靴とコーディネートすることで、着こなしに統一感が生まれるのだ。ルチェ エ オンブラ シリーズのベルトはバックルと先端部分にyuhakuの手染めグラデーションレザーを採用。直線を基調としたバックルを合わせることで大人っぽく仕上げた。「黒革と手染めレザーの接続部分にはかなり気を遣って仕上げました。着用感を良くするために、できるだけフラットになるように縫製しています。バックルも完全にオリジナル。角形の金属棒を曲げて立体的に造型したので、シンプルで男っぽい仕上がりになりました。他のyuhakuの金属パーツと同じく、ブラックニッケルメッキを施してからヘアラインを入れるという手間のかかる加工をして、独特の質感に仕上げています。」と仲垣氏。シンプルなデザインでありながら腰回りで主張する力強さがあるのだ。