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2016.12.07

最上級の水染めコードヴァンが生まれる現場

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数ある革の中でもコードヴァンが見せる艶やかで透明感のある輝きは唯一無二のものだ。丁寧に使い込んでいくと年々艶が増し、長く愛用するほどに所有する喜びも深くなる。そもそもコードヴァンは馬のお尻の部分からごく僅かしか採れない希少な革であり、加工も非常に難しい。「yuhaku」では国内で丁寧に生産された水染めのコードヴァンだけを厳選。さらに独自の手染めを施すことで製品化している。「yuhaku」のコードヴァンを手掛けているのは、国内屈指の工房であるレーデルオガワ。今回は最上級のコードヴァンが生まれる現場をレポートしたい。

 

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無造作に積まれたこの素材こそがこれからコードヴァンへと生まれ変わる原皮といわれるもの。国内で唯一コードヴァンの鞣しを行っている姫路の皮革会社から届けられる。ちなみに皮の原産地はヨーロッパだとのこと。

 

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原皮の余分な部分を皮包丁で手早く落としていく。大きかった原皮があっという真にダウンサイジングされていく様子を見ると、改めてコードヴァンとして使える部分の少なさを思い知らされる。

 

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原皮に脂分を戻す再加脂と言われる工程を一枚一枚手作業で行った後、風通しの良い屋上にて乾燥させる。自然乾燥にこだわるのは、ジェットヒーターなどで急速に乾かすと革が固くなってしまうため。湿度や温度、日当たりなどを気にしながら、革の収縮具合を確認しつつ乾燥させているという。

 

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メガネといわれるコードバン特有の形に切り出され、再加脂が施された革を細い角材に打ち付けて鉄骨の梁にかける。40年前にこの工房ができた時から変わらずに続けられている作業だ。

 

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乾燥した後は、艶を出すための糊=カゼインを塗り、再び1日から1日半ほど乾燥。通常は屋上で乾燥させるとのことだが、ちょうど取材した日は天候が思わしくなかったため工場内に乾してあった。

 

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セッティングマシーンと呼ばれるこの機械で革を柔らかく揉んでいく。鉄とゴムのローラー間に挟んで揉んでいくため、力の掛け方が重要。ここでの揉み具合によってグレージングにも影響が出る。この機械も工場ができた時に中古で購入したものなので、50年以上前のもの。壊れた場合は専門の職人に依頼して修理するしかないのだとか。

 

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コードヴァンを加工する全工程の中で一番神経を使うのがペーパーをかける工程。尻の皮の内部に潜んでいる厚さ1mmほどしかないコードヴァン層をペーパーを当てて表に出していく。当然、削り過ぎればコードヴァン層もなくなってしまうため集中力が必要なのだ。ペーパーを担当するのは工房に一人だけ。完全に専門職で10年以上かかって技術を修得するのだという。

 

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ペーパーをかけてコードヴァン層を出したメガネ状の革を半裁にし、さらに余計な部分を革包丁で落としていく。化粧断ちと言われるこの工程を経ると原皮の大きさの半分程度になってしまう。最近ではもともとの農耕馬の大きさが小さくなっていることもあり、使えるコードヴァンのサイズも年々小さくなっているそうだ。

 

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仕上げはグレージングと呼ばれる工程。先端に瑪瑙の付いた機械で表面の繊維を寝かすことで艶を出していく。この工程も力加減がとても重要で、寝かせが弱いと曇ってしまい、逆に強すぎると革が固くなる。一枚ずつコンディションが異なる革を職人の勘を頼りに仕上げていく。右がペーパーをかけた直後の状態で左はグレージング後のもの。飴色の綺麗な光沢が生まれ、明らかに違うのが分かるはずだ。この後独自のアニリン染めを行うのだが、その工程は企業秘密。40年以上コードヴァンと向き合ってきたレーデルオガワの技術の粋を集めたコードヴァンが完成する。

 

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レーデルオガワと共同開発して生まれた、yuhakuオリジナルの色に染め上がったコードヴァン。
ここからyuhakuの商品が生まれる。

 

コードヴァンを使用した商品はこちら >

 

Du Mondeシリーズ >

 

Diamantシリーズ >

 

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2016.10.03

世界一の手染めレザーブランド「yuhaku」ができるまで
vol.04: 商品開発

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手染めを引き立てるデザインと使用感の追求

 

手染めによる独特なグラデーションだけではなく、使いやすさでも評価の高い「yuhaku」。今回は商品開発について紹介していこうと思う。そもそも大手の革小物ブランドでは、それほど頻繁に財布やカードケースなどのデザインを変更しないのが常識。いくつかの定番デザインをもち、それを色変更、革変更することでラインナップに厚みを持たせているケースがほとんどだ。そんな業界にあって「yuhaku」はやはり希有な存在と言えるだろう。繰り返しになるが「yuhaku」の最大の特徴は、何層にも手染めを重ねたグラデーション。ともすると有機的に見えるこの革を引き立てるために、デザインは逆に直線基調の都会的なものになるよう心がけているという。「yuhaku」の製品が個性的でありながら、ビジネスシーンでも嫌味なく使えるのはこのバランス感覚あってのこと。もちろんお札や小銭のみならずカード類の出し入れのしやしすさまで徹底検証して製品化されている。デザインでは1mm単位、革の厚みに関しては0.1mm単位にまでこだわって商品を開発しているのだ。

 

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財布の中身はもちろん、ポケットからの出し入れなど、
一連の動線を確認し、基本設計の不備やより良い使用感を探ります

 

「財布などの設計に際してはスケッチなどはあまり書きません。頭の中にあるものを一気に図面に起こすことが多いです」。ただし使い勝手に関する検証はかなり念入りだ。新しいスタイルを開発をする時には写真のような紙製のサンプルを作って、動線の確認を怠らない。「これは僕自身が建築を学んでいた影響もあると思いますが、こうして紙製のサンプルを作り、財布の中身はもちろん、ポケットからの出し入れなど、一連の動線を確認し、基本設計の不備やより良い使用感を探ります」と仲垣氏。実際に革のサンプルを作る段階にくると、それぞれの革の厚みや重なり方、ステッチの入り方などまで、より細かく検証。ほんのわずかな厚みや重なり方が高級感や品格に影響を与えるという。

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デザインに合わせてミシンの押さえを削り出すなど、道具ひとつひとつにも深い探求心が貫かれている

 

「yuhaku」のモノづくりは革を徹底的にチェックすることから始まる。半裁(牛の半分の大きさ)の革に第一層目の染めを施し、ヌメのままでは見つけにくい傷や斑を目立たせ、その後に細かく確認していく。「この第一層目の染めは、傷を見やすくするだけでなく、その後の染めにも大きく関わる重要な工程です。ここで何色を、どの濃さで入れるかによって、製品の透明感や発色が変わってくるんです。例えば、赤く染める場合、第一層にはあえて黄色を入れます。これは日本の着物を染めるプロセスにも似ています」。また染め方自体にも高い技術力が必要だ。丸く円を描くように手を動かしていくのだが、手を止めてしまうとその部分だけ色が濃く入ってしまう。できるだけスムーズに手のひらに神経を集中させて行う必要があるのだ。

 

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このハンマーで最終的に製品を仕上げるのですから、これぐらい磨いて当然だと思っていました

 

それほど種類は多くないが革もしっかり用意されている。これはカラーオーダーや突然の修理に対応するためのもの。一部はサンプル用にも使われるという。工具類の写真は「yuhaku」の前身となった、ビスポーク専門の革工房「アメノスパッツィオ」時代に使っていたハンマーや革包丁。革包丁は日本刀の鍛冶職人の手によるもの。ハンマーのヘッド部分は顔が映るぐらいまでピカピカに磨き上げられている。「このハンマーで最終的に製品を仕上げるのですから、これぐらい磨いて当然だと思っていました。でも意外に革職人の方でここまで道具にこだわる人は少ないんですよね」と独立前の修行時代を振り返る仲垣氏。そういった細かなこだわりが積み重さなり、大きな差になっていく。「yuhaku」がモノにこだわる大人たちに支持される理由の一端が見えた気がした。

 

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2016.09.19

世界一の手染めレザーブランド「yuhaku」ができるまで
vol.03: 磨き

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艶のある美しい表情がグラデーションを引き立てる

 

手染めと並んで仕上がりの印象を大きく左右するのが磨きの工程。「yuhaku」では、バフ掛けやグレージングなどといった磨き・艶出しの工程に多くの時間を割いている。豊かな質感や触感、艶感と、手染めによる美しいグラデーションが響き合うことで「yuhaku」の革が完成する。

 

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艶のある美しい表情を作り出すのに、必要不可欠な機械として探し出した

 

手染めが終わった後はグレージングの工程へと移っていく。通常、グレージングは革の表面の繊維を圧力によってつぶし、滑らかで光沢のある革に仕上げるためのもの。しかし「yuhaku」の場合は、光沢を得るのと同時にイタリア製の保護クリーム及び、英国製の撥水クリームを革に浸透させ、色止めの効果を得ることにも成功している。アルコール系染料を使う「yuhaku」の場合、手染め工程で若干ではあるが革の油分が失われ、革が硬化してしまうケースがある。その僅かな硬化もここで革に必要な栄養分を補うことで、解決している。じつは、このグレージングを行う機械自体もかなり希少で、コードバンまたはエキゾチックレザーを扱うタンナー以外ではなかなか見ることができないものだが、艶のある美しい表情を作り出すのに、必要不可欠な機械として探し出したようだ。扱い方も決して簡単ではない。「ちょっとした力加減が艶に影響を与えてしまう繊細な作業。満足できる仕上がりになるまで試行錯誤を重ねました」と仲垣氏。こういった一工程ごとの精度の積み重ねが製品の大きな差になってくるという。

 

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ほんの数秒バフに当てては色目を確認し、またバフに当てる。
たったひとつのパーツにこの作業を何度も繰り返していく

 

染め上がった革は熟練の職人によって丁寧にバフ掛けをされていく。磨きながらワックスを使ってグラデーションを整えていくため、この工程もとても重要だ。ほんの数秒バフに当てては色目を確認し、またバフに当てる。たったひとつのパーツにこの作業を何度も繰り返していく。正直、我々の目には単調に移る作業だが、「yuhaku」の職人達には、その永遠とも思える作業の先にある理想的な革のグラデーションが見えているのだろう。「色に関しては突き詰めれば正解が無い世界。それだけに最後の詰めの部分は信頼している職人の感覚にゆだねています」。仲垣氏が生み出した「yuhaku」の理念、そして「yuhaku」の色を受け継ぐ職人たちのスピリッツが工房に溢れていた。

 

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中には傷とは呼べないような微細なものも、スリッカーという木製の道具で整えていく

 

革の調達や傷の確認、染めやグレージング、バフ掛けが終わると製品化への準備も最終段階へ。ここで更に念入りに行われるのが検
品作業だ。各段階でも完璧を期してすすめてきた作業だけに最終段階で検品するのはごく細かな傷やケバ立ちなど。中には傷とは呼べないような微細なものも含まれている。担当する職人が真剣な面持ちで傷を探し、ひとつずつ丁寧にスリッカーという木製の道具で整えていく。実際問題、製品になってからでは細かな修正もより難しくなる。どんな些細なことでもここで直しておくことが全体のクオリティアップにも寄与しているのだ。正直、他社でここまで品質にこだわっているところはほとんど無いだろう。「創業当初こそ、僕が厳しく見て、職人に直してもらっていたんですが今では逆ですね。職人のほうがクオリティに厳しいぐらいです」と仲垣氏を顔をほころばす。仲垣氏のスピリッツは職人たちにしっかりと受け継がれ、「yuhaku」のクオリティをより高いレベルに引き上げているのだと感じた。

 

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2016.09.05

世界一の手染めレザーブランド「yuhaku」ができるまで
vol.02:手染め

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絵画のように何色もの色を重ねて染め上げる

 

仲垣氏が長年にわたって行ってきた絵画制作の技術をもとに、研究を重ねて完成させたのが「yuhaku」の手染め技術。革を染めながら、色を重ねていくこの技法は世界でも類を見ない独自のものだ。すべて職人の手作業で行われるこの技法は、思い通りの仕上がりにするために多くの経験と優れた美的感覚が必要不可欠。そのため「yuhaku」の職人の多くが美大などでアートの勉強をしてきた経験をもっているという。アーティスティックな感性と、それを活かせる技術、経験が重なりあってはじめて美しく仕上がる革の芸術が「yuhaku」の製品なのである。

 

僕達はアートをつくるような気持ちで製品作りに臨んでいます

 

型入れをしてパーツを切り出した後、本格的な染めの工程が始まる。「yuhaku」の場合には少なくとも4色、多いものだと8色の染料を使用し手染めを経て商品になっていくという。使用するのは色落ちを考慮して水に溶けにくい性質をもったアルコール性の染料。第一層と同じく手を丸く動かしながら少しずつ染めていく。1色、2色と染め進んでいく度に革は次第に深みのある色へと変化。グラデーションもより明確になっていく。「こうやってひとつずつ手作業で染めていくので職人の感性が重要になります。僕達はアートをつくるような気持ちで製品作りに臨んでいます」と仲垣氏。こうして染められた「yuhaku」の革は二つとして同じものが無い特別な存在なのだ

 

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同じ青系統でも十数種類の染料を使い分け、理想の色を追求しています

 

染料は色々なメーカーのものを試し、現在は国内外のメーカー数社の染料を使用している。ただし、そのまま使うことは稀。理想的な色に仕上げるためには、同系色でも様々な濃淡、明暗のある染料が必要不可欠。そのためメーカーに開発を依頼したものや独自のレシピをもとに調合したものを使用しているという。「同じ青系統でも十数種類の染料を使い分け、理想の色を追求しています。1色を染め上げるのに4~8色の色を重ねるため、5色展開の商品では30色近く使うこともありますよ」と、ことも無げに言う仲垣氏。普通のメーカーではとても真似出来ない気が遠くなるほどのプロセスを当たり前に進めるこのスタンスに「yuhaku」の染めの本懐があるように感じた。

また、使っているうちに色が深みを増していくのも「yuhaku」の製品がもつ特徴。これも顔料やワックスを載せるのではなく、革を染めているために起こる現象のひとつ。ベースとなるベジタブルタンニン鞣しの革が濃い色へと変色するため、それにともなって見た目も深い色に変わっていくのだ。使い込むほどに自分だけの色になる、革製品本来の楽しみが味わえる。

 

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2016.08.21

世界一の手染めレザーブランド「yuhaku」ができるまで
vol.01: 革の品質管理

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何色もの染料を使い、手染めで美しいグラデーションを作り出す「yuhaku」のレザー。このブランドのモノづくりは、世界でも唯一と言われる独創的な染色手法と細部にまで行き届いたこだわりに支えられている。今回我々がその魅力の一端をお伝えすべく伺ったのは、革の選定から始まり、染色、磨き、縫製へと続く重要な工程を担っている横浜の自社工房。多くの有能な職人たちが今日も革と真摯に向き合い、より高いレベルのモノづくりに挑むこの場所は、さながらアーティストたちが集うアトリエのようなクリエイティビティに満ちていた

 

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ミリ単位の傷も見逃さない徹底した革の品質管理

 

ベースとなる革のクオリティは製品の完成度や質感にも関わる重要項目。そのため「yuhaku」ではイタリアを中心に世界各国のタンナーから最高レベルの革を調達している。代表の仲垣氏いわく「追い求めているのは、しなやかでありながらコシもある、相反する特性を合わせ持つ革。海外の革の展示会などにも出かけて理想の革を探していますが、両方を兼ね備えた革はなかなか見つかりません」とのこと。また原皮の段階での品質管理も他社とはまったく異なるレベルの厳しい基準を設けているという。“良い革の中でも、さらに良い部分だけを使う” 当たり前のことのように感じがちだが、効率優先のモノづくりが蔓延している今の世の中では、この“当たり前”を額面通り実践しているブランドは数少ない。世界一の手染めレザーブランドとしての高い理想が「yuhaku」の徹底した品質管理につながっているのだ

 

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丸く円を柄がくように手を動かしていくのだが、手を止めてしまうとその部分だけ色が濃く入ってしまう

 

「yuhaku」のモノづくりは革を徹底的にチェックすることから始まる。半裁(牛の半分の大きさ)の革に第一層目の染めを施し、ヌメのままでは見つけにくい傷や斑を目立たせ、その後に細かく確認していく。「この第一層目の染めは、傷を見やすくするだけでなく、その後の染めにも大きく関わる重要な工程です。ここで何色を、どの濃さで入れるかによって、製品の透明感や発色が変わってくるんです。例えば、赤く染める場合、第一層にはあえて黄色を入れます。これは日本の着物を染めるプロセスにも似ています」。また染め方自体にも高い技術力が必要だ。丸く円を柄がくように手を動かしていくのだが、手を止めてしまうとその部分だけ色が濃く入ってしまう。できるだけスムーズに手のひらに神経を集中させて行う必要があるのだ。

 

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ルーペを使って見ることもあるほど、傷のチェックには細心の注意をはらっている

 

傷がある部分はもちろんのこと、小さな斑があるところも製品には使えない。たとえ初期の製造工程では目立たなくても、染めて、磨いて、仕上げていくにしたがって目立つようになってくるのだ。革の状態によっては表面にはさほど表れていなくても、裏面の状態が悪いこともあるので気は抜けない。細かな傷に関しては、ルーペを使って見ることもあるほど、傷のチェックには細心の注意をはらっている。

 

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手作業で、ここまで細かくこの作業をしているのは、ビックメゾンもしくはオーダー店のみと言えるだろう

 

写真のような僅かな傷も見逃さずチェックし、それらの傷を避けて良い部分だけに銀ペンでマーキングしていく。手作業で、ここまで細かくこの作業をしているのはハイブランドもしくはオーダー店のみと言えるだろう。半裁からとれるのは長財布わずか17本分程。顔料で色をつけた革であれば表面の傷がある程度隠れてくれるので、当然もっと多の財布が作れるが「yuhaku」のように手染めする場合はそうはいかない。革が無駄にならないように、またクオリテイの低い部分を取らないように気を配りながら作業が続く。

 

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